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10月1日から8日まで,「ドイツ・ガラス建築探検ツアー」に出掛けた。ベルリンは東京よりはるかに寒く,わが旅行団は軽装だったが街行く人はすでに冬支度。
ドイツのガラス建築というと見逃してはならないのが,「ベルリン中央駅」(フォン・ゲルカン&マルク)や「ドイツ連邦国会議事堂」(フォスター)だが,その他にも近作の「ユダヤ・ホロコースト・メモリアル」(アイゼンマン),「ベルリン・アカデミー」(ベーニッシュ),「ベルリン自由大学図書館」(フォスター)も見学。
またベルリンを起点にして「バウハウス」も訪問した。周知のように設計者のグロピウスは,開放的な校舎を意図して大きなガラス・カーテンウォールをつくっている。また階段ホールの開口部は数メートルもある1枚ガラスを使用しており,これには皆驚かされた。
昼食も校舎の食堂で,マルセル・ブロイヤーのデザインによる椅子とテーブルで食べて最高だった。午後は「マイスターズ・ハウス」を訪れた。校長であったグロピウスの家は戦火で焼失していたが,「パウル・クレー&ワシリー・カンディンスキー棟」などは見学することができた。カンディンスキーの作品のほとんどはここ「バウハウス」で生み出されたものであるという。テラスで椅子に座ってくつろいでいる彼の有名な写真があるが,何十年も前に彼がここで日なたぼっこをしていたと思うと感無量であった。他にグロピウスの作品として「トルテン・ハウジング」「エンプロイメント・オフィス」「コーポラティブ・ビル」などを見学。
翌日はベルリンからコトブスへ足を伸ばし,ヘルツォーク&ド・ムーロンの「ブランデンブルグ大学メディア・センター」を見学。アメーバ形平面をもつ建物は全面ガラス張り。その上にアルファベットがセラミック・フリットで大きく描かれ,太陽熱負荷を軽減。芝生の丘に佇立した姿は思いのほか美しい。
ヴォルフスブルグではもちろんザハ・ハディドの「ファエノ科学センター」だ。巨大なコンクリート・マッスが空中に浮いて,ピロティ内にはアーティフィシャル・ランドスケープが施されている。内部には丘あり,谷あり,クレーターありと,ここでもトポロジカルな人工のランドスケープが面白い。大人も子供もいっぱいで,ザハの空間は大人気であった。ヴォルフスブルグでは,この他アアルトの「ハイリヒ・ガイスト教会」やシャロウンの「シティ・シアター」も見学した。
ケルンとボンではヘルムート・ヤーンの「ポスト・タワー」が圧巻。ガラスと鉄を多用した建物は,未来映画のシーンにピッタリの超ハイテク空間。これに対して,ペーター・ズントーの「聖コロンバ美術館」と「ブルーダー・クラウス・チャペル」は,いかにも手づくり的な味わいが濃い作品だった。特に「ブルーダー」は,オーナーの農家が知人や親戚の人々の手を借りてつくった。文字通り手づくりの建築。その施工プロセスを本人から聞いたが,非常に興味深いものであった。
最後は例によって,僕の建築ツアーに付き物の「ベスト建築アンケート」を最後の晩餐の時にとった。トータルで37件ほどの建築を見学したが,その結果は何と1位は「ポスト・タワー」,2位は「ドイツ連邦国会議事堂」「聖コロンバ美術館」「バウハウス」の3件,3位は「ハイリヒ・ガイスト教会」と「ホロコースト・メモリアル」という結果であった。
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